<雑論>「脱北少女」の変節か / 政治と法律 / フランスの暴動 / 沖縄の行方

● 「脱北少女」の変節か

 「脱北少女」として有名な人権活動家パク・ヨンミ氏は、北朝鮮当局の独裁体制を厳しく批判してきた。しかし近年、彼女は「今、米国でも同じようなことが起きている」と語り始めた(2023年6月26日付、台湾・聯合報)。

 「米国の教育は北朝鮮の洗脳と同じだ」と指摘する彼女は、両者の比較で本質を見抜いたのだ。そこで彼女の経歴に疑問の声が上がり、もしや北朝鮮のスパイではないかと言わんばかりに風向きが変わってきた。民主主義への批判、本質の洞察を許さない。それはまさに洗脳された証拠だ。

 米国も北朝鮮も同じだ。無差別の平等、民主主義も独裁専制も「全体主義」の本質という意味では、共通している。

 フェイスブックでは私の経歴と私の主義に、矛盾を指摘する人がいる――。「反全体主義者なのに、なぜ中国の大学出身なのか?なぜ中国の存在を認めるのか?ギャグじゃないか」と。とてもいい質問だ。その質問自体がすべてを回答してくれたのだ。上記のパク氏のように北朝鮮と米国の両方を経験しなければ、比較できなかっただろうし、語れなかっただろう。

 私も中国の大学での留学生活、中国での長い勤務からついに、米国西側社会の全体主義が、民主主義のカモフラージュを施しただけに、もっと悪質であることに気づいたのだ。「中国=全体主義」で洗脳されているのは、まさに米国西側社会の全体主義があってこその話だ。「白左」という言葉があるように、今のアメリカはすでに共産主義2.0にアップグレードしている。

 さらに、「なぜ、中国の存在を認めるのか」という問いだが、いささか、それこそがギャグじゃないか。主義云々よりも、物理的に、中国の存在を認めなければ、あなたは生きていけるのか?アメリカでさえ中国とのデカップリングができないと、明言しているのに…。

 この質問者のような人はたくさんいる。まさに米国西側の全体主義教育によって、「思考の自由」を奪われた被害者の典型である。

● 政治と法律

 日本には、1つの「法政大学」がある。中国には、たくさんの「○○政法大学」がある。法政か政法か。「法律」と「政治」の関係だが、法律は本当に至上なのか?とんでもない。法律は政治の産物でしかない。政治があっての法律、政治を知らずして法律を解さず。

 LGBT法を見れば、誰でもこの原理を理解するだろう。六法全書、いわゆる基本法があって、日々国会で次々と立法されている数々の法律は、そのほとんどが濃淡こそあるものの政治色を帯びるものである。私の中国ロースクール留学時代に、恩師から教わった最も重要なことは、「政治を学べ」。法律条文や判例調査は下の人間(これからはAI)に任せればいいと。

 民主国家も権威国家も原理は一緒。

● フランスの暴動

 貧困層外国人を入れるフランス。富裕層外国人を入れるシンガポール。さあ、日本はどっち?10年後に答えが出る。財布を落としても戻ってくる国は、財布が奪われる国になるだろう。

 フランスの暴動。昔は民主と自由を得るための革命だった。しかし今は民主と自由があっての犯罪である。中身は一緒だ。――暴力。昔は貴族をギロチンにかけるのだが、今は無辜之民の財産と生命が無残に踏み躙られている。それでも、まだ民主と自由の進歩を叫ぶ輩がいる。

 もう勘弁してくれよ。あらゆる暴力は、直ちに暴力で鎮圧するべきだろう。暴力の犯罪者にこそ、ギロチンだ。私権制限は、絶対必要だ。独裁専制下の暴動は、民主化運動というならば、民主制度下の暴動は、反対方向の私権制限を必要とするものだ。自由や権利とは、他人のそれを侵害しないことを前途とする。それができないなら、政府は強権発動で断固鎮圧する。

● 沖縄の行方

 玉城デニー沖縄知事の中国訪問。中国の「沖縄帰属論」宣伝に利用されかねない、と日本のメディアが報じている。歴史的事実が捏造でなければ、「利用」されても抗議できない。利用されないためには、「台湾独立」云々に日本が介入しないこと、台湾戦争に日本の米軍基地を使わないこと。日本の国益を考えると、それしかない。

 日本は、「台湾有事は日本有事」。中国は、「台湾独立は琉球独立」。と、それぞれ論理をもっている。沖縄はもしや、中国に傾くかもしれないから、いろいろと懸念されている。沖縄の問題、日本は釣った魚に餌をやらないから、中国が餌をやる訳だ。それだけの話。

 沖縄が琉球独立なり日本から分離した場合、現時点日本人は軒並みこれを嫌がっている。ただし私は予想する。必ず大半の沖縄人は今より生活が改善するし、県外から移住希望者が殺到するかもしれない。これを実現することは、某大国にとって難しい話ではない。分断戦略は帝王学の基本だ。

 自由とは、選択権があること。沖縄人には、日本滞留か琉球独立かを選ぶ自由があるが、台湾人には反中以外の選択肢が皆無。台湾人には、自由があると言えるのか?日本人には、台湾放棄か沖縄放棄かを選ぶ自由がある。その答えはあまりにも明らかだ。沖縄は日本離脱することはあり得ない。

 「台湾有事は日本有事」。だから、如何に日本無事を得るか、それを選べるのが日本人であって、台湾人ではない。

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