ジャパンエキスポ視察、コスプレビジネスは儲かるのか?

 クアラルンプールで開催された「ジャパンエキスポ・マレーシア」を視察。日本酒の試飲や和食の試食をイメージしていたが、全く違った。何よりも、コスプレがメインテーマになっていた。それがいつの間にか「日本文化」になったのか、いささか驚きを禁じ得ない

 コスプレとは、アニメや漫画などの架空のキャラクターに変身し、「なりきる」ことだ。コスプレビジネスの日本国内市場規模は、衣装の出荷額で推計して400億円を超えるという。コスプレ衣装の世界市場規模は、2020年に36億2500万ドル、2021年から2027年にかけて、16.4%以上の複合年間成長率(CAGR)で成長するとも予測されている。

 だが、たとえ予測通りの市場成長になったしても、発祥地ともいわれる日本はどのくらいのシェアを取れるのか。思うに、コスプレビジネスは、コスプレという原生ビジネスよりも、コスプレからどのような派生的なビジネスを生み出せるかがキーではないかと。

 キャラクターも、コスプレも一過性のものになりやすい。恒久的産業として定着するには、もっとしっかりした基盤が必要だ。文化産業そのもので付加価値の高い事業モデルを生み出すことはそう簡単ではない。典型的な観光産業の場合、まずその属地性があり、インバウンド誘致で確実に収入源の確保ができる。しかし、コスプレは非常に流動性の高いビジネスモデルだ。

 私の持論だが、第三次産業は世界規模を見ても、供給過剰である。AIのような革命的な技術でない限り、単なるビジネスモデルの創出だけでは限界が見えている。むしろ人類の生存を支える在来型産業である農業や製造業の回帰が求められている。しかし残念ながら、あまり光を当てられていない。

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