なぜ民主主義が嘘か、世界の真実と本質を知る

 民主主義がいいというが、世界(地球)規模では民主主義が実現していないし、「三権分立」も存在しない。その真実を知り、本質を見抜いたところ、民主主義の嘘も自ずと露見する。

● ルールメイカーの優位性

 アメリカが現今世界のいわゆる国際秩序を作り上げた。その秩序とは様々なルールによって構成されている。無論、アメリカはルールメイカーである。言うまでもなく、ルール制定者は自分に有利なルールしか作らない。結局のところ、力のある者が優位に立ってルール制定権を手に入れる。

 それはまだしも、皮肉なことに、アメリカは自分で作ったルールすら守らない。何よりも自分に都合の良いようにルールを解釈し、運用する。つまり、ルールの制定権以外に、ルールの解釈権と運用権も手に入れる。それでも言うことを聞かない国や政権が現れる。どうするかというと、アメリカは気に食わなかったら、相手を制裁する。エスカレートすれば、戦争もする。

 これは独裁でなかったら、何なのか?アメリカがやっているのは、世界の独裁である。

● 似非民主主義

 アメリカが他国に民主制度を強要する目的はたった1つ。それは、米国に服従する傀儡政権を擁立するに都合がいいからだ。アメリカの言うことに反発的な独裁・強権政権には、「独裁打倒」という大義名分を持ち出し、制裁をかけたり、戦争で制圧したり、政権交代を実現させる。世界独裁が国家独裁を潰すという滑稽な構図である。

 国家独裁と世界独裁、なぜに前者が悪く、後者が良いのか?論理的に成立しない。そうした世界独裁に立ち向かうのは、何と皮肉にも国家独裁の国々だ。民主主義の国々はすでに国民主権が去勢され、アメリカ独裁政権の宦官に成り下がったからだ。反米的な独裁・強権国家集団はある意味、「世界の民主化」を求めてアメリカに立ち向かっている。

● 反市場経済

 アメリカは、反民主主義だけでなく、反資本主義の市場経済でもある。自由競争を抹殺するには、半導体輸出規制で他国間の取引にまで乱暴に干渉する。制裁を受けながらも、半導体技術の開発に成功した中国には、さらに制裁を強化すると、とにかく自分に追いつくことは許さない。まさに世界の独裁者アメリカ合衆国である。

 言い訳は、自国の「国家安全保障」。何でもかんでもこの一言で制裁することができる。無論、「国家安全保障」の解釈権はアメリカが持っている。華為を米国から追い出すのは、「国家安全保障」。では、今度中国がアップルを排除するとなると、「経済的威圧」「競争排除」になってしまうのはなぜだろうか。

 そんな米国独裁を牽制するためにも、中露という新たなパワーが浮上した。世界規模の多元化、多極化、多様化は、アンチ独裁の意味では欠かせない。中露嫌いだから、米国独裁がいいという論理は成立しない。世界には、共存と競争が必要だ。

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