マレーシア移住(3)~ババをつかまされる不動産投資家たち

<前回>

 マレーシアに不動産投資をしてはいけない。――そんなことを言ったら、まず不動産仲介業者(一部移住仲介兼営業者もあり)に怒られる。甚だ「営業妨害」だからだ。

 「立花さん、あなた自分もマレーシアで不動産投資しているのではないか」と言われるかもしれないが、私は自分・家族が住むために買ったのであり、投資ではない。もしや死ぬまで住み続けるかもしれないから、そういうつもりで買ったのだ。

 マレーシアの新聞を日々読む人なら誰でもわかる。よく出る話題は、「いかに外国人投資者に不動産物価を買わせるか」だ。理由は簡単だ。マレーシア国内の不動産物件の供給が需要を上回っているからだ。供給が需要を上回っているということは要するに、値上がりが期待できないことだ。

 これはマクロ的な話だが、ミクロ的にスポット案件で相場の上がる物件はもちろんある。ただ残念ながら、外国人に売られている物件にそういう美味い話は極端に少ない。

 例を挙げよう。外国人市場によく出回る案件は、クアラルンプール中心部KLCC周辺の高級コンドミニアム物件だ。一等地だから儲かるという定番の宣伝文句だ。それを検証するために、まず夜のKLCCを高所から見下ろすがいい。21~22時頃がいい。大体の人が帰宅しているはずだから、高層コンドミニアムの点灯率は概ね入居率と読み替えてもよかろう。

 がっかりするかもしれないが、KLCC周辺のコンドの多くはスカスカだ。不動産仲介業者に言わせると、販売が好調で売れているという話も聞くが、販売率と入居率は違う。販売率が高くても入居率が低いということは、ババをつかまされる投資家が多いことを意味する。

 次回は、マレーシア不動産投資が儲からないメカニズムを明かそう。

<次回>

タグ: