「長いものには巻かれろ」という生き方

 「長いものには巻かれろ」。大方の日本人の生き方である。これは、特に悪い生き方ではない。ただ、肝心な注意点、前提条件がある――。「正しい長いものを見つける」ことだ。

 第二次世界大戦の際、日本はドイツを「長いもの」と捉え、日独伊三国同盟を組んだ。それが見事に外れた。戦後、日本は一気にアメリカに乗り換えた。しばらくアメリカは「長いもの」になっていたが、いよいよ中国という新たな「長いもの」が現れた。

 しかし、日本人はなかなか新しい「長いもの」を認めようとしない。ドイツからアメリカへと切り替わった前提は、敗戦だった。アメリカから中国へと切り替わるのも、それに近い衝撃的な出来事が必要だ。

 その出来事とは何か?思うに中国の台湾統一、そしてアメリカの第一列島線からの引き揚げではないかと。日本の親分がアメリカから中国へと変わったという変化がたとえ一夜にして現実になったとしても、日本人は難なくそれを受け入れるだろう。

 鬼畜米英から豹変したのと同じように、日本人はそれなりの論理を作り出すことができる。日本人のその豹変ぶりを裏付ける文脈は何だったのか。世界の学者たちがいくら研究しても未だに答えが見つかっていないようだ。

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