コロナ時代の消費市場に激変、スーパーデフレ目前か

<前回>

 2泊3日の週末小旅行が終わり、月曜日午後に帰宅。マラッカのオーチャード・リゾートの農園で大量仕入れたフルーツが大収穫。請求された金額は50リンギット、ローカル価格。因みにリゾートで食べてしまったドリアンの20リンギット分を引けば、写真に映っている品は全部でわずか30リンギット(約750円)。

 コロナでマレーシア暮らしに大きな変化が起きたのは、こうして「産地直送・直調達」が急増し、食費が大幅削減できたことだ。量的な変化だけでなく、質的に支出の構造も変わってきている。スーパーに行く回数は極端に減っている。大規模の統計は取っていないが、我が家の家計費支出をみれば、流通業界の小売ないし卸売が大きな影響を受けていることが明らかだ。

 コロナが長引けば長引くほどこのような変化がニューノーマルとして定着するだろう。消費者にとってみれば、「直送直調達」系のほうがいいに決まっている。いわゆる「付加価値」というものは裏返せば、消費者にとって「付加コスト」であるから、コスト削減は大いに歓迎される。

 コロナのロックダウンがなかったら、こんなことにはならなかった。少なくとも我が家では、この種のニューノーマルはすでにしっかり定着している。連絡帳を開けば、レストランの如き仕入先リストが載っている。SMS1通で食料が自宅まで配達されるから、安くて便利。

 旅行に関しても、海外移動は基本的になくなったので、国内旅行中心のニューノーマルが定着しつつある。国内旅行業界も海外からのインバウンドが全滅したため、限られた国内居住者市場の争奪戦が繰り広げられている。これも、疫病リスクやコロナに伴うリストラや所得減によって消費がなかなか盛り上がらない。

 そこで需要と供給のバランスが崩れ、各種の安売りキャンペーンが乱立している。ホテルの宿泊料は3~4割引き当たり前で、なかに半額セールプラス食事付きといった信じられない激安ものも出回っている。とにかく業者にはキャッシュが必要だ。

 1つ気になることだが、最近、ホテル物件の売却が増えてきている。それはホテルとしての売却でなく、レジデンスとしての転売である。つまり観光業の過剰資源が住居不動産に姿を変えて売り出される。それもなかなか難しいようだ。所得減や失業によってマイホームを手放す層も現れ、じわじわと増えつつあるからだ。不動産相場の下落は避けられない。

 オフィス物件も受難する。コロナ不況に伴うリストラやテレワークの増加によって、リアルオフィスの需要が減る。そこで目につくのはシェアオフィスやバーチャルオフィスの広告である。

 観光から流通、さらに不動産へと、まだまだとどまることなく、コロナのインパクトは複数の業界ないし全社会を巻き込んで、連鎖的に波及効果を強めていく。共通のキーワードはやはり、デフレ。場合によってはスーパー級のデフレに陥るかもしれない。

 そうした変貌、ニューノーマルは善悪の判断を挟む余地がなく、一種の現実として定着してくると、むしろ一時的な救済が無意味化する。「昨日の状態」には戻れないわけだから、いかにコロナ時代を生き抜くかの知恵を絞り、生命力を強めることが大切になってくる。

 と、マレーシアの現状を眺めながら、日本の「GoToキャンペーン」がいかに異色な存在であるかを改めて思い知らされる。

<終わり>

タグ:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です。