大木が切られたあと、組織も伐採が必要だ

 庭の大木2本が伐採されて(前編 『根を張り巡らすも、緑の木陰に危険が潜んでいる』)3日経った。素晴らしい木陰を作ってくれた大木が伐採されることを惜しみ、景観の毀損を心配していたが、まったく異なる現実を見せつけられた。

 大木に抑えつけられてきた周りの木が早速も歪んだ(歪ませられた)姿勢を正し、大木の空いた空間を埋めはじめた。低所にあって大木で日光を浴びられなかったり、根っこも充分に栄養を取れなかったりしてしょぼんとしていた木々や草花が一気に元気を取り戻し、微笑み始めた。

 大木の落ち葉で庭の掃除が大変だったが、これも状況が一変し毎日の落ち葉拾いの必要がなくなった。庭がきれいになっただけでなく、プールに落ちた葉やゴミがポンプを詰まらせて故障を引き起こしていたが、その問題も自ずと解消した。きれいなプールで泳ぐことができるようになった。さらに日照が増えたことで、水温が上がって、温水プールになり、泳ぎやすくなった。

 今思えば、大木はある種の「大害」「強害」そして「老害」だった。今までの景観に慣れてきただけに、その欠落を惜しんだ。なくなってみると、状況がすべて好転した。

 組織も同じ。一部の古株社員、中上級幹部は、いかにも欠けたら会社が回らないように見えても、実はまったく違う。彼らは組織全体に有害だった。いなくなっても困らないし、高額な人件費を若手社員のインセンティブに回した方がはるかに効率がよい。組織も伐採が必要だ。

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