自宅のリゾート化、第三次産業の大衰退時代がやってくる

 コロナ期間中に、マレーシアでは数少ない繁盛する業種、家具製造業。先日ニュースを読んで知った。閉じこもり型生活で家の中に価値が置かれ、より品質の良い家具の需要が高まったという。私もついに、庭でくつろぐためのパラソルやビーチチェアなどのアウトドア家具一式を新調した。

 自宅のリゾート化を決めたのは数日前。マレーシア国内のコロナ感染者数がまたもや増え始め、当分の間海外どころか国内の州越え旅行も禁止され続けるだろうと読んだから。定期的な気分転換で、いままでリゾート通いをしていたが、これはもう完全に諦める。その代りに自宅のリゾート化に踏み切った。

 数日のリゾート滞在。ホテル代や交通費を入れて計算すると、1~2回の旅行代金でこのアウトドア家具セットを買えてしまう。だったらわざわざ高いリゾートホテルに出かける必要もない(この辺は、ちょっと酸っぱい葡萄心理があった)。

 つまり、サービス業(ホテル)へ落ちるはずだった消費が製造業(家具メーカー)へと回った。だから、ホテル業が悲鳴を上げているのに、家具メーカーは殺到する受注に残業で対応しているわけだ。

 さらに家具を買うにしても、まず実店舗の大手ショッピングモールへは行かない。オンラインショッピングへも行かなくなったのだ。家具工場の直販を探して直接に出向く。ウェブサイトからはどんな情報でも手に入る時代であるから、活用しない手はない。直接に工場へ行き、倉庫を開けて実物を見せてもらい、その場で値切って買う。そのうえ、当日自宅まで軽トラで運んでもらい、取り付けもしてもらう。料金は?オンラインショッピングよりはるかに安い。

 このように、オンライン販売プラットフォームも含めて卸販売などの仲介が一切に排除され、生産者と消費者の直結ができたわけだ。経済学的には、取引コストがほとんど排除され、売り手と買い手の利益最大化が実現するのである。

 言ってみれば、第三次産業の排除によって生産者と消費者がより大きな利益を手にする。これがコロナが示唆してくれた消費モデルである。何も目新しさはない。時代の逆戻りにほかならない。第三次産業が創出する「付加価値」とは、別の意味で消費者にとっての「付加コスト」でもある。この事実をコロナが浮き彫りにしてくれた。

<次回>

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