マレーシア移住(20)~日本を捨よ!さもなければ捨てられる

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 人生には「明日」が最後だ。「明後日」はない。

 日本人が日本で裕福な老後を過ごすために、年金・住宅以外に最低でも4000~5000万円ほどの金融資産が必要だろう。年に数回海外旅行に出かけて趣味にも打ち込み、少々贅沢な生活をしながら、満足できる介護を望むなら、1億円は欠かせない。

 だが、今の日本では大方の人には無理だ。ならば、お金の価値を大きくするしかない。マレーシアがそれを現実にしてくれる数少ない国ではないだろうか。物価水準の差で、2000万円のお金を5000~6000万円にして使い、3000万円もあればそれは1億に化けるのも決して夢ではない。明らかな事実だ。

 日本には家族がいる。サラリーマンでいまは無理。老後のことは老後になって着手しようと思ったら、間違いなく出遅れる。2012年後半、移住が決まった私は周りの親友や顧客にもマレーシア移住を呼び掛けた。私が言った。「マレーシアはいまのオーストラリアのように移住のハードルをどんどん引き上げるだろう。だから、今すぐに動いたほうがいい」と。

 それが9年後に現実になった――。2021年8月、突然の発表。4万リンギットの月収、100万リンギットの預金など、MM2Hの申請条件は一気に引き上げられた。その話は別の機会に譲り、本題に戻ろう。

 日本人は明日のために、長い人生、ずーっと、今日を我慢してきた。その「今日」は現役時代40年、「明日」は定年後の20年。さて、あなたの「明日」はちゃんと見えているのだろうか。現役40年の「今日」が犠牲になっても、20年の「明日」は決して犠牲にしない。人生には、「明日」が最後だ。「明後日」はない。

 日本の年金制度が崩壊するかどうかは諸説がある。崩壊までいかなくとも、受給額が減る可能性は大いにある。老後に年金一本に頼ることは現実的ではない。幸せになるために、現実を罵るのではない、運命を嘆くのではない、考えるのではない、願うのではない、祈るのではない、待つのではない、会社や国に期待するのでもない。自分と家族の幸せは自分たちで手に入れるしかない。

 だから、日本を捨てよ!さもなければ捨てられる。

 「日本を捨てる」とは、心の故郷を捨てるのではなく、物理的な居住地を変え、日本から離れて住むことだ。「物心」の切り離しが必要だ。日本人の将来に「3つの拠り所」を提案する――。

 心の拠り所=日本
 身の拠り所=物価の安いアジア諸国
 金の拠り所=香港など資産運用のしやすい金融センター。

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