風光明媚、「タイピン」という無名な街

 7月31日(水)、出張でペラ州のタイピンに一泊した。タイピン(太平)は、「永遠に平和の街」という中国語から来ている。本当に風光明媚な街である。取材先の企業が特別にアレンジしてくれたフレミントン・ホテル(Flemington Hotel)は、素朴なビジネスホテルだが、レイクビューの部屋からの展望が素晴らしく、ついに見惚れてしまう。

 昔、昔の、まだ未開発時代の杭州のミニ版がもしあるとしたら、このタイピンが見事に当てはまる。世界のどこもそうだが、いざ観光地化されると、静けさが失われ、人混みでうんざりし、もちろん物価も吊り上げられる。良いことはあまりない。最近の日本は、「オーバーツーリズム」が深刻な問題になっている。かといっていわゆる「観光立国」が成功したのだろうか。

 地図を広げて無名な景勝地が数えきれないほどある。ただそこはマークされていない。自分の足で探索していけば、意外な発見があったり、望外の喜びで感動したりする。観光産業に搾取されない賢い消費者になるには、まず名の知れた観光地へ行かないことだ。戦略とは何か、「やること」と「やらない」ことを決めることで、まずは「やらない」ことを決めることだ。

<次回>

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