南部アフリカ紀行(29)~中国人に学べ、アフリカ流ビジネスの鉄則

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 中国企業・中国人がアフリカに浸透している。彼らはどのようにアフリカビジネスをこなしているのか。どのような原理原則をもっているのか。3点ほど取り上げてみたい。

 まずは自分で運転すること

 運転手を雇う場合は、必ず悪くない給料を用意して信頼できる人にお願いすること。それだけではまだ足りない。さらに信頼できる身元保証人もつけること。なぜならば、業務上のことやプライベート的なこと、運転手がほとんどこれらを知っているからだ。住まいはどこにあるか、銀行はどこの支店を使っているか、取引先はどこの会社か、給料日(現金を持ち運ぶ日)はいつか、などなど。下手にすると犯罪者に情報を一番流しやすいのも運転手なのだから。

 アフリカで私も中国人が自ら運転しているところを、何度となくこの目で見た。人件費の安いアフリカなら、運転手を雇ったほうが楽ではないかと、いささか中国人の吝嗇さを小馬鹿にしたこともあったが、私のとんでもない間違いだった。何事も表面だけ見て判断してはならない。その深層を掘り下げてみると、いろな景色が見えてくるものだ。

 次に通訳に絶対に頼らないこと

 それは通訳としての語学力を言っているのではない。通訳自身の個人的利益が絡んだ場合、通訳そのものが変質してしまうからだ。つまり、通訳が交渉相手と一味になった時点で勝ち目がないことをいっているのだ。たとえ取引交渉に無関係な通訳を雇ったとしても、相手側に引っ張り込まれる恐れがあるからだ。

 アフリカの場合、国によってはフランス語やポルトガル語も必要だが、最低でも英語を必ずマスターすること。拙い英語でも紙に書いたり、身振り手振りだったりして自ら当事者同士で交渉すべきだ。

 これは何もアフリカに限った話ではない。中国やベトナムにおいても同じことが言える。日本企業特に大手企業の場合、大体専属の現地通訳者が配置されている。そうすると、駐在員の日本人トップや幹部がどうも通訳に頼り切ることが多い。たとえ社内事項でも通訳自身の利害関係が絡んだ場合、微妙に訳された内容に変質が起こることを、私は現場で何度も何度も目撃している。

 たかが通訳、されど通訳。どうしても通訳に頼らざるを得ない場合は、単一通訳でなく、異なるコミュニケーションのチャンネルを2つ以上用意することは必要不可欠だ。

 最後に人を信用しないこと

 とことん性悪説で臨むこと。海外ビジネスはアフリカに限らず、性悪説で失敗した事例は皆無に等しいが、性善説で失敗した事例は無数にあるだろう。これは日本人の一番の弱点。

 いかなる者の約束も信用しないこと。そして裏切られたことを想定し、BプランやCプランを策定すること。さらにワーストケースのシミュレーションを緻密に描き、損切りのデッドラインを明確に決めておくこと。

 ある中国人がこういう。「人を騙すな。人に騙されるな。騙されたら泣くな。泣くより騙される自分を憎め。そして次は騙されるな。3回も騙されたらもう騙されない。そうするとやっと人を信用していいぞ」

<次回>

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