パラグアイの台湾断交は時間の問題、民主主義と経済的利益

 南米パラグアイでは、主要産業である農畜産業界をはじめ、巨大市場に進出するために中国との国交樹立を求める国内の圧力は高くなってきている。地元の農村協会会長は「隣のパーティーをバルコニーから眺めるようなものだ」と、対中貿易が活発な周辺国に対する心境を語る。経済発展のため台湾との断交は「いつ起きるかの問題」(現地外交筋)との声が上がっている。

 「民主主義」と「経済的利益」、どっちが優先?民主主義が優先なら、中国と断交して台湾承認するべきだろう。日米欧西側諸国はなぜ、真逆になっているのか?それはたった1つの事実を明らかにしているだけ――。「民主主義」などは、更なる「経済的利益」を勝ち取るための道具、交渉のカードでしかない。

 中国の「独裁専制」が世界第2の経済大国を作り上げたとすれば、それが「民主主義」に勝っていることになる。だから、西側は焦燥、嫉妬、敵視の感情を抱えながらも中国への経済的依存から脱却できずにいる。矛盾や葛藤に満ちた西側民主主義国家の醜態が顕になっている。

 目を背けてはいけない、もう1つの事実がある。デカップリング、「脱中国」は西側の中国に対する脅しだったが、それが逆に中国にヒントを与えた。今の中国はすべて着々と「脱西側」の準備に取り掛かっている。一方、ここのところ、アメリカは「脱・中国」はできない、するつもりもないと明言した。

 孤立されるのは、中国でなく、西側、米国である。ASEAN、アフリカ、中東アラブは中国側に立っている。中国は今、欧州の切り崩しに取り組んでいる。それが成功するだろう。なぜなら、経済的利益優先は万国共通で不変の法則だからだ。

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