上海出張(5)〜「老上海」の面影、旧フランス租界地弄堂散策

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 上海の旧フランス租界地。食後の散歩には最適。オールド上海の面影を求めるなら、表通りでなく、「小区(ショウチュ)」という純粋な住宅街に迷い込むと良い。GPSマップに載っていないようなところが特にお勧め。

 「弄堂(ロンダン)」は、北京の「胡同(フートン)」に相当する。どちらも古い路地を意味する。「胡同」は、四合院の住宅がほとんどだが、「弄堂」はそれを構成する住宅によって2形態に分かれる。1つは「石庫門(ザックーメン)」に代表される2階または3階建ての中式メゾネット形式の住宅で、もう1つは租界地の洋式または洋中折衷形式の住宅である。

 私は後者に興味があってあれこれ見て回っている。洋式とは、フランス風やスペイン風などいろいろあって、さらに一軒家やタウンハウス(リンクハウス)に細分される。一軒家のほとんどはレストランなどの商業施設または官公庁に転用されている。タウンハウスは基本的に住宅用途のまま、今でも使われている。ただし昔は1軒の建物には基本的に1家族だったが、今は何家族も共同使用している。

 フランス租界地は、最も「老上海」らしい街並みである。その弄堂は古き時代の面影を残しているので、見応えがある。ゆっくり散策しながら、住人たちの暮らしぶりもある程度垣間見ることができる。非常に面白い。

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