台湾(3)~不愉快な思いその二、お客さん出ていけ

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 不愉快な思い2件目、あの有名な台湾料理店「青葉」であった。台湾を出発する当日、台風がやってきた。空港行きも控えて、ホテルの徒歩圏内にある「青葉」で早めのランチを取り、その足で空港へ向かおうと、予定を急遽変更した。

 11時の開店で20分前に店に到着。空いていたので、入口・受付の前にある待機用の椅子に腰を下ろして開店を待つことにした。その時に、台湾人男性マネージャーが出てきて、しかも日本語でわれわれを追い出す。「ダメダメダメ。ここはダメ。開店前だから、外で待ちなさい」と。

 外は雨が降っている。入口の椅子は元々待機用だから、そこで待たせてくれてもいいのではないか。マネージャーは嫌そうな表情で言う。「開店前の掃除があるから、お客さんが邪魔になる」。清掃が来たら、邪魔にならないようにすぐその場を退きますからとまでお願いして、やっと雨に濡れずに済んだ。結局、清掃係は一度も来なかった。

豚レバー炒め

 マレーシアでは、開店前にも関わらず、入店・着席を許してくれる店がほとんどだ。なかにお茶を出してくれたり、メニューを渡してくれたり、注文を取ってくれたりする店も多い。みんな笑顔で親切。なぜ台湾人がこんなに不親切になったのだろうか。

烤松阪猪肉(豚肉)

 昨日の羊肉店は庶民的な大衆店で、スタッフ教育が行き届かず、サービスレベルが低くても文句が言えないかもしれないが、この「青葉」は高級店だけあってお値段もそれなりに安くない。しかもマネージャーがこんな接客態度とは驚きを禁じ得ない。また中国大陸との比較になってしまうが、上海や北京ではあり得ないことだ。

豚腎臓のごま油炒め

 先進国の衰退とは、そういうことなのか。殊に後進の追い上げによって、焦燥感が際立ち、様々な面において顕わになる。中国大陸の台頭によって、台湾の過日の栄光が色褪せた。歴然とした経済発展の差はまだしも、精神面も衰退の同期が始まれば、台湾人は徐々に理性的な判断力を失う。

菜脯炒飯

 今の台湾では、中国との融和や統合はもとより、中国への同調もタブーだ。ポリコレが民主主義の台湾を着々と腐食し、「大陸の独裁が悪」という価値判断が暴走し、事実判断の力を台湾人が失いつつある。それが確実に台湾を危険な境地に陥れる。

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